飲んでみたかった! モカケンブリッジ!(番組担当より)

2019.01.28[Mon] 00:00

1月20日の放送番組から気になった一部の内容を紹介します。

ゲスト 珈琲はうす おおいし 大石幸典 様

益田:今日は福岡の喫茶店文化の歴史を辿ってみたいと思います。昔ながらの喫茶店は年々減っていっていますけど、実際に喫茶店をされていた大石幸典さんにお越しいただいてお話を伺っていきたいと思います。

大石:喫茶店を昭和55年から開業いたしまして、去年平成30年の10月末をもって閉店させてもらいました。

山本:昭和55年オープンということですが、そのときの喫茶店はどんなものが主流だったんでしょうか?

大石:ほとんどがスナック喫茶でしたね。

益田:お酒が出るということですかね?純喫茶というかたちではなくて。

大石:そうですね、お昼はコーヒー、食事、そして夜はアルコールに切り替わるというお店ですね。

山本:そういう形態をスナック喫茶っていうんですね。

益田:さかのぼってみると戦前からやっぱり同じような形態の喫茶店ってあるんですけど、戦前はそういうお店はカフェーって言っていたみたいですね。アルコールも出すお店はカフェーで、コーヒーが主体のお店はコーヒー店、もしくは喫茶店と。

山本:そういう中で「珈琲はうす おおいし」は純喫茶?

大石:そうですね。やっと見つけた場所、お店をバックにして180度見ますと、もうすでに5、6軒喫茶店が見えていました。それがほとんどスナック喫茶だったんですね。だから私はあえてコーヒー専門店をやろうということで、あまりバリエーションを広くせずに絞ってやろうと、コーヒーに関する商品を絞ってやろうということから始めたわけですね。

山本:そうですか。種類を絞って?

大石:はい。つまり、あまり幅広く商品を出しますとどうしても品物が薄くなってしまうと言いますか、薄っぺらくなってしまうという意味合いですかね。そんなふうに私は感じ取りましたので、まあ一点集中主義という感覚で、やはり良いものを徹底的に追求してそれをお客さんに供給しようという、コーヒー専門店という考え方で取りかかったわけです。

山本:特に大石さんが、コーヒーをこれに絞ったといういくつかを教えていただけますか?

大石:そうですね、当時どこのお店に行っても薄いアメリカンタイプのコーヒーが主流の時代だったんです。アイスコーヒー、ホットコーヒーが普通でしたけども、一時期的なものでしょうけどアメリカンが主流の時代だったわけです。コーヒーも、出てきますとカップの底が見えるくらい薄いコーヒーでした。

益田:紅茶みたいな感じですか?

大石:そうみたいですね。何で?と言ったら、いや今までは男性の方の昔から戦前戦後の方が主流の飲み物というイメージを脱却するために、やはり女性に親しんでもらおうと薄く飲んで飲みやすくしようという名目で始まったのが由来ということなんですね。

益田:アメリカンって、そんなかたちで始まっているんですね。

大石:ということを聞いたような記憶があります。ですから、私はその薄いコーヒー、それはそれでいいんですけど、私のお店のほうとしてはやはりわざわざ足を運んでもらって休憩に来られるお客さんは、コーヒーを飲んで会社に戻られてテーブルに着くまでの間に口の中でコーヒーの香りが残るくらいの、苦いコーヒーではなくて、香りとコクのあるものを目標にして作ったわけなんです。

山本:でもそのポリシーが何だかこうすごく響きますね。

益田:そうですね、私もいくつかメニューを試させてもらったりしたんですけど。

山本:ここに「珈琲はうす おおいし」の最後のメニューがありますね。アレンジコーヒーがまた面白くて。

益田:そうですね、アレンジコーヒーだけでもかなりの数、30ぐらいあってですね。

山本:ちょっと気になるものを言ってもいいですか?モカケンブリッジ。これはどういうコーヒーなんでしょうか?

大石:これはアイス系統のアレンジコーヒーなんですね。モカケンブリッジ、これはあくまで私のほうで勝手に名前を付けさせてもらったものなんですけど、ベースとしてはやはりアイスコーヒーにアイスクリームを入れて、それを今度はチョコシロップを少し垂らしましてね。それもミキサーにブイーンとかけるわけです。そしたら泡が立って、要するにブラウン系の飲み物ができるわけですね。それを氷の入ったグラスに頭から直接注いでいただくと、ビールのように上の方は泡が立って、下はちゃんとオーレの色なんですね。飲みますとチョコシロップの香りがして、それでお客さんがおいしいと言った時には必ず上唇に泡が付いているという。

山本:これちょっと作り方を聞くとおうちでもやってみたいなと思いますけど、たぶん違うんだろうな。

益田:ですね。大石さんのところで今風でいうインスタ映えっていうことで若い人たちもよく頼んでいたのがカフェオレで。大石さんのところのカフェオレは本当に綺麗ですよね。

山本:何が違うんでしょうか?

大石:インスタ映えするそのカフェオレっていうのはアイス系統なんですね。ロングタイプの、少し長めの円筒形のカップを用意しまして、氷を先に入れまして、今度はミルク、普通でいうオーレですのでミルクとコーヒーですよね。ですけど、私の方としては先にミルクに味、甘みを付けたガムシロップを含ませまして、それを3分の1ほど注ぐわけです。それを10秒ほど置きますと落ち着くわけですね。注いだときは波立ちますので。それを待って、それから今度はロングスプーン、我々はティースプーンと言いますけど、ロングスプーンでアイスコーヒーを入れた器からそれに当てて注いで、氷にめがけてゆっくりと注いでいくわけです。

山本:スプーンの柄の部分から?

大石:柄の部分に当ててですね。柄の部分をつたって氷に当たるように中で入れていって、ちょっと時間をかけてゆっくりと上げていくんです。そうしたら、ガムシロップの入っているミルクですので、濃縮されて比重が違うわけですね。ですから下の方に沈殿して固まるわけです。アイスコーヒーは比重が軽いですので、ですから上に置くわけです。だから綺麗に下がホワイト、上はブラックのツートーンのコーヒーができあがるわけです。

益田:綺麗な二層の、はい。

山本:お客様はそれを飲むときに自分で?

大石:はい。ただ最初に私はストローを付けて出しますけど、あえてそれを混ぜないでくれと。まずそれを見てくださいと。

益田:見て楽しめる、大石さんのこだわりがつまったメニューだったんですね。

山本:まさにこれパチリとやりたくなりますよね。

大石:そしてストローで下の方のミルクの味を味わっていただいて、それからゆっくりと混ぜていただいて、次に味わってくださいと。大きく分けて2段階に味が変わりますよということですね。

山本:その大石さんのコーヒー、お話聞けば聞くほど飲んでみたいんですが、今ではもう飲めないというのがとっても残念ですね。

益田:幻になってしまいまして、私は最後閉店する前に大石さんにおねだりして、アイリッシュコーヒーとか先程のお話のカフェオレを、実際淹れているところも全部写真に撮らせてもらったんですよ。

山本:うらやましいです。

DJ紹介

  • 益田啓一郎
  • masudakeiitiro
  • 博多で企画執筆業。古地図や古写真の研究を通じて地元福岡だけでなく九州各地の歴史文化に興味精通。趣味は演劇鑑賞&音楽ライブ、ブラタモリ案内人。

  • 山本真理子
  • Mariko Yamamoto
  • 誕生日:9月20日 乙女座
    血液型:O
    出身地:長崎
    訪れたことのある国:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、タイ、香港、済州島
    特技:おいしいお茶を入れること
    好きな音楽:ソフトロック

    LOVE FMに戻ってこれました!HAPPY!

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