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2021.03.31 

What's Ra-mugi?!

2021年3月31日19:30~20:00 OnAIR♪

TOM Gラーメンはとんこつ・バリカタが大好きな「TOM G」が、全福岡県民にお届けするラーメン専用小麦「ラー麦」にフォーカスしてお送りするスペシャル・バリカタ・プログラム『What's Ra-mugi?!』
この「ラー麦」実は、博多ラーメン専用の小麦です。耳にしたことがあっても、その実態をご存じない方も多いのでは?今日は「ラー麦」について深堀りしていこうと思います。

スタジオには、「ラー麦のことならアンタ、ワシにまかせんしゃい!」AからZまで知り尽くした、福岡県農林業総合試験場 農産部麦類育種チーム長の甲斐浩臣さんをお迎えしています。早速ですが甲斐さんは、どんなお仕事を行っているんでしょうか?

甲斐福岡県農林業総合試験場は、ラー麦をはじめ、あまおうやお米の夢つくし、あとは鶏のはかた一番どりといった福岡県産の新品種の開発、また栽培法の試験、輸送法の試験など、幅広く、農林業に関するような研究開発を行っているところです。なかでも私は、ラー麦の元となる小麦の開発、またはビールの原料になる大麦の開発を行っております。

TOM Gそもそも「ラー麦」とはどんな小麦なんでしょうか?

甲斐「ラー麦」は、福岡県がラーメンのために開発した小麦です。その名も、約1,600の応募の中から、覚えやすく、響きがよく、親しみやすいということで選ばれました。福岡県は全国有数のラーメン県ですが、麺の原料の小麦はほとんど外国産だったんです。福岡のラーメンをより魅力あるものにするため、「福岡のラーメンを福岡の小麦で作りたい」と平成15年に開発がスタートしました。5年の歳月を経て、平成19年に「ラー麦」が誕生しました。

TOM Gそんなラー麦の特徴は?

甲斐麺にすると、「コシが強い、歯切れがいい、色がいい、伸びにくい」といった、ラーメンにぴったりな特長があります。

TOM G完成までには、やはり苦労も?

甲斐通常10年かかる品種開発を5年で開発することとなり、開発の途中段階から、実需、いわゆる製粉会社のみなさんの話を聞いて、それから品種開発に取り組み関係機関と協力を得て5年で開発に成功しました。

TOM G試作品を提供するときは、ドキドキしたんじゃないですか?

甲斐心臓が飛び出るぐらいですね。私たちがいいと思うものも、製粉会社のみなさんプロなので、「いまひとつ」とか厳しい評価もありました。

TOM G現在どれくらいの店舗で使われているんですか?

甲斐福岡県内のラーメン店をはじめとする飲食店200店舗以上で使用されています。開発当初は「ラーメン用小麦」ということで、ラーメンを中心に広がっていったんですが、最近ではやきそばやちゃんぽん、もつ鍋の〆等に使用されています。

TOM Gズバリ、ラー麦のこだわりとは?

甲斐ラー麦の要は「コシ」なんですが、この強いコシを生むために、通常の小麦に比べ1回多く肥料を与えてコシの源となるたんぱく質含有量を引き上げています。生産者のひと手間が、コシが強いラー麦の秘密なんです。

TOM Gなるほど。では、ここで実際に「ラー麦」を使用しているラーメン店さんをお迎えして「ラー麦」の魅力に迫っていきましょう。2017年の「ワールド・ラーメン・グランプリ」大会で、見事優勝を果たした福岡市中央区今泉のラーメン店『大重食堂』の店主、大重洋平さんです。遅ればせながら、グランプリおめでとうございます。賞金が一千万円出たということですけど、何に使ったんですか?

大重ありがとうございます。今泉店をオープンさせていただきました。

◆大重食堂の情報
【HP】
https://www.oshigeshokudo.com/

【警固本店】福岡市中央区警固1丁目8番20号
【TEL】092-741-0141

【今泉店】福岡市中央区今泉1丁目12番23号西鉄今泉ビル1F
【TEL】092-734-1065

TOM G本店が警固で、今泉にひとつブランチがあるそうですね。でも元々はラーメンつくってなかったと聞きましたが?

大重元々は和食を中心とした料理、居酒屋状態でやっていました。

TOM Gなのにワールド・ラーメン・グランプリで、優勝をかっさらったとは、すご腕ですよね。そこからラーメン屋さんを始めるようになったと。

大重その前からラーメンは始めていたんですが、グランプリをきっかけにラーメン屋にシフトチェンジしました。

TOMGいい動きですね。その中で、ラーメンの麺を選ぶ中でですよ、ラー麦を100%使ってらっしゃるということですよね。このラー麦と出会ったきっかけは?

大重ほんとにいろんな麺を試しました。たぶん100種類くらい。いろいろな太さ、硬さとかも入れてですね、外国産もいろいろある中で、やっぱり九州産を使いたいと落ち着いた。それと、味がうちのスープになじみが良かったんです。

TOM G甲斐さん。聞きました?100種類以上からラー麦を選んだってことは、恋愛に例えると100人くらいとお付き合いして、この人に決めた!ということですよ。

甲斐そんなにいい女でしたか。

TOM Gラーメンの話ですよ(笑)。ラー麦にたどり着くまで随分時間がかかったんじゃないですか?

大重そうですね。2年位はかかりましたね。ラー麦は、コシがあって硬すぎず、伸びにくいし食感もモチモチ。香りもいいんですよ。いいとこ取りの麺ですね。

TOM G:大重食堂さんのスープは、とり方がまた変わってますよね?

大重コーヒーのサイフォンをつかって抽出させていただいてます。

TOM G最初見た時は、喫茶店かと思いました。ラーメン屋さんなんですね。そこも見た目けっこう映えるし、面白いですよね。

大重はい。楽しんでいただけたらいいなと思ってですね。相性も最高ですね。麺が勝ちすぎず負けすぎずっていう丁度いいところで。

TOM G引き分け!みたいな

大重お互いが引き立てあってる感じで。

TOM Gなるほどね、そこの微妙なバランスが最高!というわけですね。季節によって麺は、ゆで方とか調理法とか変えているんですか?

大重季節もありますが、切ってから何日かでゆで時間変えています。切りたては水分が多いんで若干短めで、時間が立つごとにちょっとずつ長くしています。

 

TOM G:そういう工夫もされているんですね。このご時世、新型コロナウイルスの影響もあるんじゃないですか?なにか工夫されている点は?

大重:影響はとてもあります。もちろん、除菌などの対策は当たり前。加えて、テイクアウトを始めてみました。

TOM G:ということは、大重食堂さんのあの美味しいラーメンがご自宅でもいただけるということですね。いいこと聞きましたね。テイクアウトしてもお楽しみいただきたいなと思います。
これからやってみたいこととか、目標とか、野望はありますか?

大重:これからもっとラー麦の可能性というかラーメンの可能性も含めていろいろ提案していけたらいいなと思います。

 

TOM G:こうやって実際に使っていらっしゃるお店の方から生の声聞くっていうのは嬉しいですね。

甲斐:育てた我が子をこれだけ愛してもらえるのは、嬉しいですね。品種を開発する者として冥利に尽きると思います。ありがとうございます。

TOM G:すっかり父親目線になってますね~。ありがとうございます。是非ね、大重食堂さん引き続きラー麦のご愛顧、よろしくおねがいします!

さて、ラー麦を使用したラーメンは、店舗だけではありません。実は家庭向け商品も誕生しているそうなんです。次は、そんな家庭向け商品や、ラーメン以外にラー麦を使った商品などをご紹介しましょう。

マルタイの「ラー麦担々まぜそば」&「ラー麦冷やし中華」、そして名城食品の「ふとっぱら監修ラーソーメン」を、スタジオに持ってきていただいています。まず、味のマルタイさんの「ラー麦担々まぜそば」。担々麺もいけるということですね。ちゃんと「ラー麦」って表記がありますね。これはやっぱり人気ですか?

甲斐:そうですね、暑い時期にピッタリの辛麺、辛い味付けになっております。

TOM G:僕も辛麺大好きなんで!お家で食べるとまた美味しいでしょうね。作り方も簡単そうですね。

甲斐:ゆで時間が6分とちょっと長いんですけれども、少し太麺につくってあります。
次に紹介するのは、マルタイさんの「ラー麦冷やし中華」です。ラー麦の特徴、のどごしがなめらか、ちゃんとコシがある麺がぴったりです。

TOMG:食欲が落ちた夏でも美味しそうですね。

そして、こちらがラーソーメン。好きな人、多いでしょうね。

甲斐:あの居酒屋のふとっぱらさんに監修しいただき、名城食品から発売された家庭用のラーソーメンです。

TOM G:お店で食べたあの味が、家でも食べられるんですね。飲んで食べた後、最後の〆にいいし、夏の暑いときにもラーソーメン、ぴったりでしょうね。

甲斐:こちらは、お店のラーソーメンと同じく、細麺なのでゆで時間は2分ですけど、コシはしっかり楽しめます。

TOM G:僕バリカタ派なんで1分半くらいであげますね。


 

 

甲斐:ところでTOM Gさん。ラー麦を使っているのは、何も麺だけじゃないってご存知ですか?例えば、スーパーマーケットの「ダイキョープラザ」さんでは、ラー麦で「餃子」の皮を作って販売中です。スタジオに、焼いてお持ちしましたのでぜひ召し上がってください。

TOM G:これですか!? いや、めっちゃ美味しそう〜!!今スタジオの中、この美味しそうな餃子の匂いが充満しています。「自家製濃旨(コイウマ)にんにく餃子」と、「自家製野菜たっぷり餃子」の2種類もいいんですか?早速、いただきます。
麺にするとコシが強い「ラー麦」を餃子の皮に使うことで、もちもちとした皮に仕上がっていましたね。“皮のおいしさ”を感じられる餃子ですね。これはご飯も進むしね、ビールもどんどんいけるんじゃないですか?
◆ダイキョープラザの情報
HP:https://www.daikyo-plaza.jp/

甲斐:そしてもう一つ、食材宅配サービスの「ヨシケイ」さんが、福岡ではおなじみの「ぎょうざの山八」さんとラー麦のコラボ商品を開発して、4月から商品カタログに掲載するそうです。商品名は、なんと!『ラー麦×ぎょうざの山八「ふくおか最強タッグの餃子」』!!

TOM G:じゃあ、これも頂きます。これはまた、カリッと焼いていただいて、めちゃくちゃ美味いじゃないですか!!

甲斐:ありがとうございます!

TOM G:皮がやっぱりね、ラー麦使ってるなと僕の舌がだいぶ認識するようになってきましたよ。

甲斐:流石じゃないですか。

TOM G:コシといいこのモチモチ感といい、これはラー麦とぎょうざの山八の福岡最強タッグの餃子、この名にふさわしい味ですね。このラー麦餃子がどのようにして誕生したのか、「ぎょうざの山八」の窪田浩之工場長にお話を伺いましょう。窪田さん!

◆(株)ヨシケイ福岡の情報
HP:https://www.yoshikeifukuoka.com/

窪田:ぎょうざの山八の窪田です。よろしくお願いします。

TOM G:さっき食べさせていただいたんですが、めちゃくちゃ美味しかったです。あのモチモチ感半端ないんですけども、どうして餃子の皮にラー麦を使おうと思われたんですか?

窪田:元々輸入の小麦粉を使っていたんですけれど、国産の小麦にこだわった餃子を作りたくて、ラー麦にチャレンジしました。

TOM G:やっぱり国産、福岡県産がよかですか?

窪田:そうですね。そもそも山八はすべての食材を福岡県産にこだわって、自家栽培、キャベツとかニンニク、野菜を育てて、食材に使用しています。

TOM G:地産地消で食べる方も安心ですよね、なにかこのラー麦を使う際に難しかったことありますか?

窪田:実際のテストでは、水分調整が難しくて、加水をちょっと多めにしないとモチモチ感が出ませんでした。

TOMG:僕の口の中にモチモチの食感が残ってるんですが、これはやっぱり何回も水分調整をテストされた中で、あのモチモチ感を達成したわけですね。

窪田:そうですね、ラー麦以外にも何種類か九州産の小麦を使ったブレンドで、最強の美味しい餃子の皮にしました。

TOM G:窪田工場長から、最強ワードが出ました(笑)これ本当、僕も最強って言いたいです。すごいですよねこの餃子の皮。
でも、やっぱりラー麦以外にも他の県産小麦をテストされたんですね。でも最終的にこうやってラー麦を取り入れてよかったことというのはどうですか?

窪田:そうですね。最強ですね。

TOM G:これからももっともっと美味しいやつ作ってください!いや〜、甲斐さん工場長の話聞かれてて、もう嬉し涙じゃないですかこれ。

甲斐:もう泣いてます。やっぱりラー麦のコシの強さは、餃子の皮にしてもですね、モチモチ感を引き出してくれるんですね。タンパク質含有量を高めたラー麦というのは餃子にもピッタリ合うんだなということを再確認できました。

TOM G:なるほど、先程お話しいただいた、生産者の方のひと手間、もう1回肥料を多くやるというところ、それでタンパク質の含有量が増える、それがこのモチモチ感に繋がっているということですよね。
本当に美味しい、文字通り最強の餃子の皮をつくったコラボ。ちょっと気になる〜という方はですね、ヨシケイさんのホムページ等からお問い合わせされてみてはいかがでしょうか。

TOM G:お送りしてきました福岡県が開発したラーメン専用小麦・全福岡県民にお送りするラー麦スペシャルプログラム『What's Ra-mugi?!』そろそろ、時間が来てしまいました。あっという間でしたけれどもね、今回この番組どうでした?

甲斐:私初めての収録だったんで、緊張してたんですけれども、ラー麦のために一肌脱ぎました。

TOM G:ほんとね、スーツも脱いで(笑)お話しいただいきました。甲斐さん。このラー麦、今後どんな風に育って欲しいと願われていますか?

甲斐:今日取り上げてもらったラー麦なんですけれども、ラーメン屋さんに使っていただいて食べていただけるだけでも嬉しいし、ラーメン以外の新しい分野でも商品化されていくのは、品種を開発した者として非常に嬉しいことです。今後はですね、ラー麦の品質をより高くしてもっと多くのお店に使っていただきたいなと考えてます。そのためにもですね、生産者や製粉会社、メーカー、行政と一体になってこれからも頑張っていきたいと思っているところです。さらに、より良いラー麦を目指した品種開発も続けているところなので、今後もラー麦に注目していただけたらなと思っています。

TOM G:いや、ラー麦の未来が楽しみになってきました。福岡が誇るラーメン文化。その立役者の一つがこの福岡生まれのラー麦です。いずれ、福岡だけでなく、全国に、そして世界で「ラー麦」が共通言語になる日も近いかもしれません。私たちもラー麦の明るい未来を思い描きながら、ラーメンを頂きましょう。本当にあっという間の時間でしたが、甲斐さん、今夜はありがとうございました。

因みに番組の替え玉はradikoのタイムフリーで聴けます。ちなみに賞味期限は1週間となっておりますので、どうぞお早めに食べて…… いや、聴いていただきたいなと思います。お代は無料です(笑)。

◆radikoの情報

HP:https://radiko.jp/

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