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2012.02.15[Wed] 00:00
Restaurant
江戸の情緒を五感で愉しむ 藪蕎麦総本家
かんだ やぶそば
「淡路町」駅、「小川町」駅 徒歩2分
「神田」駅、「御茶ノ水」駅 徒歩5分
せっかく東京に来たからには、その土地の名物を食べたい。
東京・江戸名物といえば、「もんじゃ焼き」や「蕎麦」、「江戸前鮨」、「天ぷら」、「どぜう料理」などが思い浮かぶだろう。
今回ご紹介するのは、「蕎麦」。
「蕎麦」といっても東京には、無数の蕎麦屋がある。
その中でもお勧めしたいのが、明治13年創業 江戸蕎麦三大系統の一つ藪蕎麦で最も古い老舗の “かんだ やぶそば” だ。
神田オフィス街の一画に佇む日本家屋。塀に囲まれた店内は前庭、中庭を配し風情に富んだ料亭風のしつらえで下町の情緒を醸し出している。
緑が美しい店先の敷石を歩き暖簾をくぐると、「いらっしゃいぃぃぃぃ~~~」と独特な声色で迎えてくれる。店内にはテーブル席、お座敷席がありどこに座っても風情溢れる空間が広がる。
喉ごしのよい 味わい深い江戸前せいろう蕎麦
“かんだ やぶそば” 定番メニューといえば「せいろうそば」(700円)。
そば粉10・小麦粉1の割合で、主に内地産の最上級粉をまぶした蕎麦はとてもコシがあり、喉越しで味わうのが粋といわれる江戸蕎麦の醍醐味を、堪能させてくれる蕎麦だ。ちょっと青味がかったそばには健康に良いクロレラを少量加えている。
つゆは昆布・鰹節だしでとった江戸前の辛口。江戸っ子らしく蕎麦の端に少しだけつけて粋に啜り込む。
サクサク、中から小さな海老が出てくる「天たね」(1400円)、「刺身湯葉」(900円)などお酒のつまみも充実。昼間でもお酒を飲んでいる人が多いのも東京の老舗そば屋ならではの光景だ。
「天たね」1,400円
「かも南ばん」(1,800円)
“かんだ やぶそば”のもうひとつの名物
店内にはテーブル席、お座敷席がありどこに座っても風情溢れる空間が広がる。
会計を行う右手奥の帳場も、古き良き時代を思わせる風情が。注文が入ると「せいろう~いちまいぃ~」と何ともいえない独特の調子で注文を通す女将さん(花番さん)の唄声も名物のひとつ。店内に口上が響き渡る。
味覚、視覚のみならず、聴覚でも楽しめるなかなか類を見ない、五感で愉しむ江戸の蕎麦だ。
趣のある店内。年末年始のお正月飾りが豪華。
帳場の女将さんが調理場へ注文を伝える節回しが名物。
昼と夜の間に休憩を挟む老舗店が多い中、同店は通しでの営業。ランチ専用のメニューはないが、土日も営業を行い年末年始とお盆を除いて年中無休。ランチタイムを逃してしまったときはもちろん、仕事を終え空港に向かう前のちょっと空いた時間などお酒を飲みながら蕎麦を食べるなんて粋な使い方も。
江戸の風情を感じながら心を潤す至福の時間を過ごしてほしい。
天保元年1830年創業 あんこう料理“いせ源”
下町情緒を感じながら神田淡路町(旧連雀町)を散策するもよし
“かんだ やぶそば”が位置する神田淡路町の一画には一瞬タイムスリップしたような空間がある。かつて連雀町(れんじゃくちょう)といわれた一帯で、奇跡的に第二次世界大戦の東京空襲で焼け残り、現在は東京都歴史的建造物に指定された老舗などが軒を連ねる。