2019年03月

2019.03.15[Fri] 00:00

2月24日の放送番組から気になった一部の内容を紹介します。

河合:平成筑豊鉄道は、その名の通り筑豊と京築を結んでいる鉄道でございます。第3セクター鉄道ということで、簡単に言いますと、県や沿線の市町村様から出資をいただいております。要はですね、地域の皆さんと一緒に運営して頑張っている鉄道ということです。

益田:具体的にはどのあたりを走っているのでしょうか?

河合:そうですね。直方から田川を通りまして行橋まで走っています。

益田:結構距離ありますね。

河合:そうですね。全部で50キロ弱ぐらいです。ただ逆に言うとマラソンで走れるぐらいの距離ではありますね。

砂田:元々この鉄道の成り立ちが明治28年に豊州鉄道株式会社といって、伊田と行橋を結ぶ、石炭を運ぶための鉄道として敷設されましたので、それがどんどん石炭産業が発達する中で大量輸送するようになっていくと。その中でできれば複線にしたいという考えがあったんですね。要するに、港に向かって石炭を田川方面から下ろして行くんですけど、単線だと空荷で上がってくる貨物列車とすれ違わなければいけないので複線にする予定があったんですね。ところがこれは実現しなかった。だから今でも複線にしようとしていた痕跡が残っているのが面白いんです。

益田:筑豊ってことは石炭産業ですね。炭鉱と切っても切り離せない歴史と文化があるということですね。

砂田:先程申し上げた内田三連橋梁なんていうのは、片面に石がはってあるんですけど、もう片面はレンガで、しかもデコボコになっているんですね。デコボコはなぜかっていうと、そこに継ぎ足して反対側も作る予定だったんです。もう一つ有名な石坂トンネルっていうのが。社長さん、あれは源じいの駅の近くですよね?

河合:そうですね、ええ。

砂田:とても面白い形をしたトンネルで、横に長いんですよね。普通トンネルって割とこう真ん丸に近いか、少し上が半円になっている細長い形が多いんですけど、扁平な円形というかアーチになっていまして、それはなぜかって言うと複線にするために幅広く作ってあるんですね。ところがそれが実現しなかったんで、その広いトンネルの中の端っこの方を走っているという、ちょっと面白いトンネルになっていますね。

益田:普通は単線用のトンネルがほとんどですよね。

砂田:はい。これもレンガで作られているとか、あと橋梁ですけど、いくつもレンガの橋があって。ふつう一般の方は見逃すんですけど、大堰堤と言って、まるで堤防のようにずっと土を盛り上げて作った上を走る区間が多いですね。だから大変な労力をつぎ込んで作った素晴らしい鉄道遺産でもあると思います。

山本:河合社長はそのあたり、乗っているお客様からいろいろと「ここ面白いね」なんて言われること、ないですか?

河合:そうですね。乗っている方というのは逆にそれを当たり前と思っているんですが、ただ本当に全てが100年前のもので、しかも当時の明治の方たちが一つ一つレンガにしろ、手で重ねていったと。そういったものが当たり前になっていることがすごいなと思います。

山本:それを今に残す努力もされているんですよね。

河合:そうですね。元々複線にするつもりだったけどまだ単線ということで、そういった意味では未だに完成していない鉄道なんですね。100年以上経っていますけど。ですから、鉄道を守っていくだけではなくて、やっぱり昔の人が夢を持って鉄道を作った、それを忘れずにまだ未来に向かって鉄道を作っていこうと思っています。

山本:そのゆとりのある部分を見るだけでも、思いを馳せることができますね。

河合:そうですね。実際にレンガを触ると、それが100年前の手触りだからですね。

山本:乗ってみたい、そしてゆっくりキョロキョロしたいなという感じがしますね。他にマニアックな見どころというとどこになりますか?

河合:見どころとしましては、私どもの鉄道の中心である田川ですね。田川には二本煙突という、こちら煙突が2本あるのを見たことがあると思うんですけど、炭坑節発祥の地でございます。それと鉄道の絡みなどがですね、写真で撮ったりしても楽しいのかなと思いますね。

山本:確かに色のコントラストも綺麗ですものね。

益田:平成筑豊鉄道の電車は、車両が可愛いですよね。

砂田:おすすめポイントっていっぱいあるんですけど、田川には本当に炭鉱、石炭を積み込んでいた車両としてのポイントがいっぱいあって。まず、それぞれの駅のホームがえらい大きいんです。車線が多かった、線路がたくさん敷設されていて入れ替えができるようになっていましたし、多いときはSL 3両でものすごく長い貨物列車を引っ張っていたらしいんです。そうなると駅で行き違いするためには大変広い駅が必要になりますよね。しかもカーブだったりするんで、それが見どころになります。皆さんが駅のホームに立って写真撮っても、大きな広いホームの中をですね、向こうから列車がカーブを描きながら走ってくるなんていうシーンが見られますので、それはぜひ見ていただきたいのと、駅舎自体でおすすめは油須原駅ですね。実は私うろ覚えだったんで、夕べ行ってきたんです。この駅は当時の建物そのままなんです。木造の駅舎が。例えば玄関先に柱が立っていますけど、その足元の礎石が格好良く削られていて、それが花崗岩なんですね。花崗岩の上に木の柱が立って、上にも柱頭飾りって言うんですけど、木で額縁を作ってあって、めちゃくちゃ格好良いです。そこにちょっと演出で昔ながらの看板とかが設置してあって、雰囲気のある駅ですね。

2019.03.08[Fri] 00:00

2月17日の放送番組から気になった一部の内容を紹介します。

ゲスト ミュージアムプロデューサー 砂田光紀 様

山本:「雛(ひいな)のまつり」の「ひいな」は、お雛様の「ひな」ではなくて「ひいな」というのはどうしてなんでしょうか?

砂田:普通はひなまつりとか雛人形とかいう言い方をしますが、古い絵巻物とか文書とかを見るとやはり「ひいな」と表記しているものが多いということで、今は雛人形で定着しているけど、ひなまつり、でもひいなの祭り、古式ゆかしい言葉を使おうじゃないかと「ひいな」を使っておられるそうです。

山本:今でももう「ひいなのまつり」で定着しましたね。

砂田:そうですね。可愛いですよね。

山本:可愛いと思います。子どもたちも言いやすいし。お人形たちもたくさん並べられていますけれど、どうやってあれだけのお人形が集まってきたんでしょうか?

砂田:こういったひなまつりを主催しておられる人形研究家の瀬下麻美子さんは、個人的にこれを全部買い集めているんです。

山本:じゃあ個人のものなんですか?

砂田:もういらなくなったものを、じゃあくださいと言っているわけではないんですね。ですから人形の時代性とかグレードとかをよく判断しながら集めていますので、飯塚の雛人形は非常に質が良くてバラエティに富んでいると。もちろん高価なものだけじゃないんです。例えば「雛軸」と言いますけど、例えば炭鉱住宅に昔暮らしていて、一生懸命働いていて、でも雛人形買えないなというときに、そのお父さんお母さんがじゃあこの子のために何かないかなと、そういう方々のために掛け軸にお雛様の絵を描いて、それを飾ってあげたと。それにみんな目をつけておもちゃ屋さんはせっせといろんな形の雛軸を作るんですけど、その雛軸にも非常に素朴なものから、浦島太郎の絵がなぜか下に書いてあったりとかするんですけど、そういうモチーフをつけて雛軸と言うものを作っていっぱい売っていた、それが今でもたくさん残っています。そういうものを入手、展示もしますし、逆にもう一つ大きな特徴がありまして、九州は大名家の雛人形が良く残っているんです。例えば東北地方とか行きますと、雛人形というのはかなり少なくて、幾多の戦乱とか飢饉とかいろんなときに焼かれたり捨てたり流出したりが多かったんですが、九州はご存知のように島津であったり立花であったり、あるいは久留米の有馬であったり、そういったところが持っていた雛人形が焼失・流出しなかったんですね。

山本:それは貴重ですね。

砂田:ですから、今でも大名家の末裔の方が持っていたり、あるいは流出したとしても地域に残っていたりというのがありますので、出物でそういった関連の方がお持ちの物が売りに出たりとか、ちょっとこれどうしたらいいのかわからないという方も多いので、それを引き受けて、それが展示されるわけですから、非常にグレードの高い人形も手に入るわけなんですね。

山本:なるほど。私はいろんなお家の人が「うちのもどうぞどうぞ」とそうやって集まって来たのかと思っていたんですけど。

砂田:そういうやり方をされるところも多いので、それはそれで私はとても良いことだと思いますけど、でも飯塚の瀬下さんの人形の特徴は、一つはそうやって一つ一つ吟味して集められた人形、古今東西問わずですね。それを上手にアレンジしながら展示紹介していく。あと雛道具のコレクションが半端ないんですね。これがいわばミニチュアですね。当時の所帯道具とか、宮中あるいは大名家のミニチュアを雛の道具として使っておられる、それだけ展示しても非常に迫力があるんで、よく雛道具の展示室も作られるんですけど、これをご覧いただくと、精緻さとか美しさに皆さん感動されますね。

 

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  • 益田啓一郎
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