伝承のまち、福岡

2019.01.18[Fri] 00:00

1月6日の放送番組から気になった一部の内容を紹介します。

ゲスト 筑紫野市教育委員会 小鹿野亮 様

小鹿野福岡という街は弥生時代以来ですね、2000年以上前から、海との関わり、大陸との関わりがものすごく深いわけですね。そういうわけですから、神功皇后伝説のような物語、実際それが本当かどうかという問題はありますが、残ってきているんだと思います。特に福岡には伝承地が多いですよね。そもそも神功皇后というのは仲哀天皇の妃なんですけど、福岡で一番関係が深いのは熊襲を討伐するときと、朝鮮半島の新羅を征討するという物語が有名だと思います。

山本:どれぐらい前のお話なんですか?

小鹿野:古事記と日本書紀ですね。これにその物語が記述されているんですけども、素直に読むと1800年ぐらい前の人物ということにはなるそうなんですが、もし神功皇后が実在したと仮定した場合ですね、4世紀から5世紀の初めのことだと言われているようです。

山本:その神功皇后についてはいろいろなお話がありますよね?

小鹿野:新羅を攻めるということが書かれているんですけれど、筑紫の橿日宮に来るわけですよね、そこから西へ行って、今の唐津の辺り、松浦で鮎釣りをして占いをしただとか、妊娠して身重でありながら男の格好をして新羅を攻めるために海を渡ったとか、武人としてのイメージもあるんですね。朝鮮半島との関わりの中で神功皇后という人物をよりどころというか、そういう風にして物語として地域に定着していくと。いろいろな神社との関わりが深いですよね。海八幡は応神天皇ですね、息子ということに一応なりますね。ですから、応神天皇の出生の地が宇美町ということに、その場合はなるでしょうし、だから宇美町だというふうに言っているらしいとか、応神天皇のおしめを変えたから志免町だとか、嘘っぽいようで本当のような、冗談のような話なんですけど。

山本:でもそういう伝説が残っているんですよね?

益田:博多湾沿岸は多いですよね。

山本:私、卑弥呼のモデルなんじゃないかという話も聞いたことあります。

小鹿野:そうですね、そういうことをおっしゃる方もいますね。ただ、実在性とその時代ですよね。なかなかそのあたりが難しいところではありますけど。

山本:はっきりとこうですとは言えないところにまたロマンを感じますよね。

小鹿野:そうですね、おっしゃるとおりだと思います。

益田:神功皇后伝説、いろいろありますけど、その時代を含めて朝鮮半島との関わりについて、いろいろ残っている話もあるんですよね?

小鹿野:時代は、いろいろな時代にわたってくるとは思うんですけど、例えば神功皇后の伝承が残っているところで、神功皇后が新羅から帰られて都へ戻られるときの物語で、ショウケ越と言って今の福岡から飯塚の方へ抜ける峠があります。弥生時代とか非常に古い時代からの古道だと言われていて、そういったところを越えてですね、今の飯塚の大分(だいぶ)八幡というお宮があって、そこで兵を解散するというような物語があるんですけど、何を申し上げたいかというと、実はその先にある豊前とか筑豊とか、あの地域には実は新羅のデザインを用いた古瓦がたくさん出土するんですよ。
古代から渡来人が、特殊な技術を持ってこちらにやって来て、例えば焼き物を焼くだとか、瓦を作るだとか、織物を織るだとか、そういうような技術を持って日本にやって来て、特に福岡はそれが多いんですよね。もちろん近いせいもあるんですけど、そういった物が出てきますし、先程お話した太宰府でも、実は新羅のその製品だと言われているんですが、佐波理(サハリ)という錫と銅の合金で作られたお椀みたいなものだとか、スプーンですね、匙とかも出土していまして、これは太宰府市になるんですけども、奈良の正倉院の宝物にもそれが入っているようなものでして、そういったものが太宰府あたりにも持ち込まれていたりとか、いろいろな関わりが深いんですね。

山本:それは技術を持った人が来て伝えたということでしょうか?それとも、その物自体が?

小鹿野:それは両方あると思います。物自体がやって来ることも、例えば先程の青磁の壺ですとか、そういうこともありますし、古代の日本には青磁とか白磁、いわゆる磁器ですね、焼く技術はありませんので、全部海外から持ってきて、というケースもありますし、逆に、養蚕なんてそうですよね、絹織物なんていうのはもう弥生時代から出てきますけれど、そういう技術は朝鮮半島から渡ってやって来たのだろうと思いますよね。
そのほかにも、志賀島には志賀海神社というのが祀られていますが、志賀海神社は海の神様ですよね。海を渡る航海の技術とか、あるいは海上の交易をしたりとかを担っていた阿曇氏という氏族が、その祭祀をつかさどって、管理をしていたということで、その神功皇后が新羅を攻めたときには、神功皇后は志賀島に立ち寄って、阿曇の磯良という人物に舵取りを務めさせたというような伝承もあるそうでして、海との関わりが非常に深い物語も残されています。

DJ紹介

  • 益田啓一郎
  • masudakeiitiro
  • 博多で企画執筆業。古地図や古写真の研究を通じて地元福岡だけでなく九州各地の歴史文化に興味精通。趣味は演劇鑑賞&音楽ライブ、ブラタモリ案内人。

  • 山本真理子
  • Mariko Yamamoto
  • 誕生日:9月20日 乙女座
    血液型:O
    出身地:長崎
    訪れたことのある国:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、タイ、香港、済州島
    特技:おいしいお茶を入れること
    好きな音楽:ソフトロック

    LOVE FMに戻ってこれました!HAPPY!

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