福岡のFMラジオ局 LOVE FM。周波数76.1MHz。九州北部広範囲をカバーする10ヶ国語の多言語放送局。
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2019.01.30[Wed] 00:00
1月27日の放送番組から気になった一部の内容を紹介します。
ゲスト 珈琲はうす おおいし 大石幸典 様
益田:今日は福岡の戦後の喫茶店の歴史について簡単にお話させていただきます。福岡市の喫茶店、戦前からやっているお店というのは、実は今店屋町にありますカフェ「ブラジレイロ」という店だけなんですけど、戦後になると昭和24年前後ぐらいから新しい喫茶店が増え始めるんですよ。この時代にオープンしたのが、喫茶はもうやっていませんけど、「風月」さんとか、最近復活した「ばんぢろ」さんとか、昭和の名店と呼ばれたお店が次々にオープンして、福岡は昭和30~40年代はもう大喫茶店ブームの時代が来ています。だからもう一つの街にいくつも喫茶店があるという時代があって、高度成長期を経て、新幹線の開業後さらにまた喫茶店がブームになるんですけど、多くの喫茶店がやっぱり一代限りなんですね。後継ぎがいらっしゃらなくて、もうお店を閉めて違うお店になるというのが非常に多くて、入れ替わりが激しかった。その中で昭和55年に博多駅南にオープンしたのが、今日来られている大石さんの「珈琲はうす おおいし」ということになります。
山本:大石さんはコーヒーハウスのオーナーとしてデリバリーしていただけではなくて、ちょっと違った形態のデリバリーをなさっていたそうですね?
大石:最初は家庭用のポットにレギュラーコーヒーを詰めまして、それで量って紙コップの杯数を決めまして18個前後、シュガー、ミルク、混ぜ物をワンセットで、貸し会議室の方に貼り紙をしましてね。セットで2,000円から2,500円ぐらいの値段で、セルフでどうぞということが始まりだったわけですね。それが好評で、「マスター、人数が多いから今度は2本にして」「今度は3本にして」とだんだんエスカレートしていきまして、ポットは前の日にあった分を回収するまでの間に、今度は明くる日にまた別の配達がありますので、例えば1か所で2本用意しないといけないんですね。3本の注文だったら6本用意しないといけない。知り合いの県の医師会というところなんですけど、そこで頼まれるのはありがたいんですけど本数が足りませんので、もうローテーションが間に合いませんのでここにマシンを持ち込みますと。テーブルだけちょっと拝借させてくださいと。あとは下にビニールシートを敷いて、テーブルクロスを掛けて、マシンをそこに2台置いて、マシンから出たコーヒーをそこにストックするタンクと言いますか、保温ポットの8リットルサイズ、10リットルサイズのものを置きまして、そこで喫茶コーナー、コーヒーコーナーというものを作ったわけですね。
山本:じゃあ大石さんは会議の間中そこに常駐されるということですか?
大石:そうですね。
益田:その時代は、福岡ではコーヒーをその場所に行って淹れるというようなサービスをやっているところはなかったんですね?
大石:ありませんでした。だから現場で即興のコーヒーコーナーを構えて紙コップで立ち飲みできるというようなスタンスをとるお店というのはありませんでした。また今は店を完ぺきにやめましたけども、どうしても大石さんのコーヒーを持ってきてくれというのは未だに2グループ残っています。
益田:まだ行かれているんですか?
大石:はい。もう今度は自宅からです。自宅からでもいいからということで。
益田:大石さんの理想とする喫茶店って何ですか?
大石:そうですね。私も学会とかいろんなものに供給をさせてもらいましたけど、その中でもやっぱり愛知のがんセンターから来られている先生もいらっしゃいました。その先生と私と単独でお話した中の話なんですけど、人間1日に3回コーヒーを飲む時間を作ってほしいということを聞いたわけですね。それはコーヒーが目的ですかって聞いたら、いやコーヒーが目的じゃなくて、つまりこれだけパソコン、いろんなもののストレスがある現代で、1日に3回ぐらいくつろげる時間をちょっと作ってほしい、その時にコーヒーを飲む時間を作ってほしいということですね、ということを言われたわけなんです。つまり午前中の、出勤されてお昼休みまでの間、10分ぐらいで結構です。コーヒーでなくても結構ですので、ちょっと頭を空っぽにする時間を作ってほしい。そのときにレギュラーコーヒーを飲まれたら、身体の方の神経もちょっと、カフェインが入っていますのでちょっと刺激性があって、次のラウンドに行こうというやり方ということらしいんです。それをストレスの解消のために、食後のコーヒーも入れまして1日に3回、ティータイム3時頃を作ってほしいということなんですね。私から言いたいのは、コーヒーはとにかく何々のコーヒーだからとか、どこの産地のコーヒーだからとか、そういうことにはこだわらずに、自分のお口にあったコーヒーを、美味しいと思われるコーヒーを、何でもいいです。それがブレンドであろうがサントス、コロンビア、モカ、キリマンジャロ何でも結構です。美味しいと思ったコーヒーを手元に置いてくつろいでほしいというのが私の本音ですね。
益田:そういう空間を提供するという?
大石:そうですね。そういう空間を、あったらいいなということですね。それも気楽にとにかく行けるところということですね。
益田:ありがとうございました。