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 教えて古賀先生！「ラブスタ法律相談所」

本日のテーマ
歯医者・歯科に関する話

──── 古賀弁護士は医療事故の取扱いも多いとお聞きしていますが、歯医者・歯科に関する法律相談も多いんですか。

はい。歯科大学で学生さんに「患者の視点から見た歯科治療」という講義も毎年行っています。歯科医院の現場で、医療安全の指導も行っています。


──── そうなんですね。歯科分野で最近の話題は何かありますか。

公益財団法人の日本医療機能評価機構が、歯科ヒヤリ・ハット事例の収集を開始して、事例を公表するようになりました。


──── ヒヤリ・ハットって、確か、ヒヤリとしたり、ハッとした事例ということですよね？

その通りです。医療におけるヒヤリ・ハットというのは、医療従事者が業務中にあった危険な事例をいい、再発防止に役立てようという趣旨になります。

──── 具体的な歯科のヒヤリ・ハットってどのようなものがあるんですか？

歯科ヒヤリ・ハット通信１号は、バーが口腔内に落下して、患者さんが誤飲したり、 誤嚥したりする可能性があった事例が報告されています。 バーというのは、歯を削ったり、歯を磨いたりする際に頻繁に使用される器具ですね。皆さんも目にしたことが多いと思います。


──── 報告された事例は、患者さんに影響はなかったんですか？

はい。医療関係者が口腔内でエアタービンを回転させたときに、エアタービンにつけていたバーが口腔内に落下してしまいました。幸い落下後すぐに、患者の顔を横に向けて、バーを吸引したため、患者さんの誤飲・誤嚥には至りませんでした。


──── 怖いですね～、どうしてこんなことが起きたんでしょうか。

──── とても基本的だけど怖い事例ですよね。裁判例があったりするんですか？

歯科治療中に異物が患者の口腔内に落下して、患者が損害を被った医療事故は少なからず報告されています。例えば、幼児に対する抜歯治療の際に、器具ではありませんが、抜歯した歯が気道を閉塞してしまい窒息した事案において、歯科医師の法的責任を認めています。その判決も、患者を横にしたまま顔を横に向かせ、口腔内の異物の位置を確認した上、取るべきだったのにもかかわらず、患者の姿勢を起こしたことについて注意義務に違反していると認定しています。


──── 日頃普通に受けている歯科治療でも色々と事故があるんですね～。勉強になりました！

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