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  • 京都を拠点に活動する劇団・ヨーロッパ企画による「こちらヨーロッパ企画福岡支部」が、ポッドキャストで復活!リスナーの皆さまからのメッセージという名の署名活動で本放送復活を目指します。メッセージはtwitterアカウント:@kochiyoroへリプライもしくはDMで受付中です!

    [ヨーロッパ企画HP] http://www.europe-kikaku.com/

2020年03月

2020.03.24[Tue] 21:30

イシダカクテル『愛してる』

こちらヨーロッパ企画福岡支部(通称 #こちヨロ

ラジオ版をお聞きいただいている皆さんにはお馴染みの、

ヨーロッパ企画・石田剛太が全監修をする

オトナの恋愛ラジオドラマ【イシダカクテル】

これまでお送りした過去の作品の原稿をお楽しみください♪

 

今回は2019年8月27日オンエアの作品
『愛してる』です。

 

本作品は、オンエア日が夏だったので、夏服で歩くカップルを想像してお楽しみください。また、この作品が生まれたころ、石田は、スパイダーマンにはまっていましたよ。

『愛してる』

「ねえ、いま向こうから歩いてくる
女の子見てたでしょ」

「え?」

「そういうのすぐ分かるんだから」

「いや、女の子を見たんじゃなくてー」

「さいてー」

 

やれやれ。


彼女とデートしているときに前を
歩いてくる夏服を着た女に目を奪われる。
もちろんそんなことあってはならない。
そこから映画館に入って映画を見終わるまで
彼女の機嫌がわるいのは当然だ。

スパイダーマンがおもしろくて助かった。
マーベルスタジオには感謝しなくては。

 

レストランで食事をしている二人。

「夏の牡蠣は岩牡蠣で、冬は真牡蠣なの。
私は岩牡蠣が好き。
おいしいー、もう大好き」

 

生牡蠣を食べると彼女は機嫌が良くなる。
僕は生牡蠣を食べている彼女を見るのが好きだ。

 

「愛してるよ」

「何?急に気持ち悪い」

「うん、そういうと思った」

「どういうつもり?」

「好きだよとか愛してるとか、
長く付き合ってると言わなくなるでしょ」

「そういえば言わなくなる」

「お互いね。言わなくなるし、
言われなくなる。
そういうもんかもしれないけど、
でも付き合いたての頃は好きだとか
愛してるとかしょっちゅう言ってたんだ、
僕たちは」

「イタいバカップルだったな」

「まあね、けど君は岩牡蠣のことは
ずっと大好きだって言ってる」

「うん、大好きだからなあ」

「それでいま思ったんだ。
愛してるってもうずいぶん言わなくなったのに
突然言ったから気持ち悪いってなった。
じゃあ愛してるっていつも言ってれば、
気持ち悪いって思わないだろ」

「ふふふ、なに言ってるの?」

「今日、僕は夏服を着た女の子を
見ていたんじゃなくて、その横にいる
彼氏の方を見ていたんだ」

「彼氏のほう?ゲイになったの?」

「からかうなよ。彼氏のほうが君を
見てるって気が付いたんだ」

「え?」

「君をじっと見てたよ」

「そうなの?」

「ああ。なんでこんな男と一緒に
こんな美人が歩いているんだろうって
思ったんじゃないかな」

「何にも出ないわよ」

「一緒に歩いてると君の顔が見れなくて
残念だと思うこともある」

「今は向き合って座ってるもんね」

「うん。しっかりと君が岩牡蠣を
美味しそうに食べる顔が見れた」

「かわいかった?」

「そんな口が開くんだって思ったよ」

「岩牡蠣は大きからね」

「愛してるよ」

「うん、…やっぱりなんか気持ち悪いな」

「たしかに」

「大好きとかにしてよ」

「大好き」

「ああ、それでも気持ち悪いなあ」

「なんだよ」

「ふふふ」

あとがき

いかがでしたでしょうか?

原稿データに近い形での公開になります。

今回も、本編のドラマが放送されたあとの、石田剛太と番組構成作家・団長のやり取りの模様を音声でお楽しみください♪ (原稿を読み終わってからお聞きいただくことを、おススメします!)

>> 続きを読む

2020.03.16[Mon] 19:00

こちらヨーロッパ企画福岡支部(通称 #こちヨロ

ラジオ版をお聞きいただいている皆さんにはお馴染みの、

ヨーロッパ企画・石田剛太が全監修をする

オトナの恋愛ラジオドラマ【イシダカクテル】

これまでお送りした過去の作品の原稿をお楽しみください♪

 

今回は2017年11月27日オンエアの作品
『絵画のようなバー』です。

 

この作品は、この年実施された、ヨーロッパ企画第36回公演『出てこようとしているトロンプルイユ』の世界観をイメージしてできた恋愛ラジオドラマです。ただこの作品は、本編の公演とは何も関係ないことをあらかじめご了承ください。

『絵画のようなバー』

(革靴の足音。止まって、バーの扉を開ける_音)

 

重たいその扉を開けると
男はいつも思った。
このバーは、絵画のようだ

カウンターしかない
そのバーには
青いワンピースを着た
ボブカットの女性が
ひとり背を向けて座っていた。

マスターが僕に
微笑んでくれたおかげで、
僕の目の前にある光景が、
絵画ではなく現実のものだと
認識できた、

というのはいささか
言い過ぎかもしれないが、
それほどまでに
このバーは絵画的だった。

 

カウンターに座ると
マスターは黙って
コニャックを
ブランデーグラスに注いだ

 

「このバーでコニャックを
飲んでいると、まるで1930年代の
パリにトリップしたみたいだ」

「あなたは1930年代のパリに
行ったことあるの?」

 

女は少しいじわるに
笑ってそう言った

 

「もちろんないよ。
でも、君も行ったことないだろ?」

「ふふふ、おかしな人。
マスターそろそろ失礼するわ」

「もう帰るの?
終電は過ぎてるんじゃない?
ほら、あの時計を見て。
もうとっくに0時を回ってる」

「あれ?
私の腕時計はまだ11時過ぎよ。
あの時計、止まってるんじゃない?」

「止まってるわけじゃない。
よく見て、あの時計、実は絵なんだ。

『0時を過ぎた時計の絵』。
動くはずもないよね」

「ほんとだ、_絵ね(笑)
なんであんな絵が飾ってあるの?」

「つまり、
このバーに入った時点で、
もう終電はないってことを
言ってるんじゃないかな。ねえマスター」

 

マスターは僕らを見て

黙ったまま微笑んだ

 

「トロンプルイユって知ってる?」

「トロンプルイユ?」

「フランス語でだまし絵のことを言うんだ。
まさにああいう絵のことだよ」

「ふーん、だまし絵ね」

「どうかな?少しの時間だけ、
だまされてみない?」

「ふふふ」

 

 

それから二人は
ラブソング一曲分の
会話を楽しんだ

「趣味は、映画や演劇を観に行くことかな?」

「演劇?」

「このすぐそばに
西鉄ホールって劇場があるんだ。
そこでやってる演劇は
間違いないものばかりだよ」

「チケットはどこで売ってるの?」

「どこにも売ってないんだよ」

「え?」

「恋をしたら、
ある日ポケットに入ってるのさ」

「ふふふ」

「つまり、
君は劇場には一人では
入れないってことさ」

「ポケットに手を突っ込むのが
楽しみになってきた」

 

二人はカウンターに座って
ずっと話し続けた

 

「君とはなぜか話せる」

「そうね、
まるでこうなることが
決まっていたみたいに…」

「こうなることが
描かれていたみたいに…」

 

重い扉を開けて、
誰もいないバーに男が一人
入ってきた。

 

マスターはにっこりと微笑んだ。
カウンターに座ると
絵が飾ってあるのが男の目に入った。

バーのカウンターに
男性と青いワンピースのボブカットの女性が
座っている。

 

絵だった。

 

二人は楽しげに
会話してるように見えた。

とてもいい絵だな、

男はそう思った

あとがき

いかがでしたでしょうか?

原稿データに近い形での公開になります。

今回は、本編のドラマが放送されたあとの、石田剛太と番組構成作家・団長のやり取りの模様を音声でお楽しみください♪ (原稿を読み終わってからお聞きいただくことを、おススメします!)

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2020.03.13[Fri] 21:00

こちらヨーロッパ企画福岡支部(通称 #こちヨロ

ラジオ版をお聞きいただいている皆さんにはお馴染みの、

ヨーロッパ企画・石田剛太が全監修をする

オトナの恋愛ラジオドラマ【イシダカクテル】

 

これまでお送りした過去の作品の原稿をお楽しみください♪

 

今回は記念すべき2013年4月1日、第1回目のイシダカクテルです!

『次の客』

マスター 「次に入ってくる客が男か女か?もし男だったら、君は彼女に謝るんだ、ここから電話をする、私の目の前で」

僕 「もし女だったら?」

マスター 「君は今日、タダでメルローを好きなだけ飲んで、酔いつぶれることができるよ」

僕 「なるほど、けどマスターへのリターンがないようだけど?」

 

 

僕NA 「マスターは、自分のグラスを持ってきて僕の入れたメルローのボトルを注ぐと、僕のグラスに合わせてこう言った」

 

 

マスター 「君たちが仲直りして、メルローとシャルドネが同時に減っていってくれた方が、
私は助かるんでね」 

僕NA 「なるほど、マスターはアドリブの利く男だ」

 

 

時間経過

 

 

僕NA 「一時間ほど経っただろうか、男も女も入ってはこなかった。それどころか、それまでいた客たちもいなくなっていた。店には僕とマスターと空っぽになったカリフォルニア・メルローのボトルだけだった」

 

 

マスター 「どうやら、賭けは成立しなさそうだ、つまらない店ですまないね」

僕 「いや、僕がつまらない男なんだよ」

 

僕NA 「支払いを済ませると、僕は席を立った、
店を出ようとドアを開けると、そこには彼女が立っていた」

 

 

女 「まだ開いてるのかしら?」

僕 「え?」

女 「開いてるなら入りたいんだけど、あなたがそこに立ってたら私は入れないわ」

僕 「ああ、そうだね」

 

 

僕NA 「彼女はムッとした顔のまま、僕の側を横切って店の中へ入ろうとした」

 

僕 「ちょっと待って」

僕NA 「僕は彼女を止めると、一旦店を出てドアを閉めた」

 

女 「ちょっと…」
僕 「(さえぎるように)おいしいシャルドネが入ったらしい」

 

僕NA 「そういうと僕は彼女より先に店に入った、マスターとの賭けは、僕の負けになった。店内にはまた"ナウズ・ザ・タイム"が流れていた、彼女に謝るのは"いまがそのとき"なんだとチャーリー・パーカーが教えてくれた」

あとがき

いかがでしたでしょうか?

原稿データに近い形での公開になります。

これまでに、いくつものカクテルを収録してきましたが、変わらないのことが1つあります。
それは、番組内に色々なコーナーや、フリートークパートがあっても、収録の最初は【カクテル】から収録すること。だから、こちヨロのとっても最初の収録は、この作品になります!

皆さんのご感想は、Twitter ‎@kochiyoro もしくは、 #こちヨロ #イシダカクテル で♪(タイトルを書いてもらうと、より助かります!)

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DJ紹介

  • 石田剛太 (ヨーロッパ企画)
  • Gouta Ishida (Europe-Kikaku)
  • いしだ ごうた
    1979年6月3日生まれ、愛媛県出身
    俳優/ラジオパーソナリティ
    趣味/写真・ラジオ鑑賞
    特技/バレーボール

    99年、第2回公演よりヨーロッパ企画に参加。以降、ほぼ全本公演に出演。
    多数の外部出演にくわえ、イベントでのMCや、ラジオパーソナリティとしての活動も多い。
    また、「ヨーロッパ企画の暗い旅」などのバラエティでも活躍。

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